横浜市内のレッドゾーンについて
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)について
レッドゾーンの定義と制度の背景
1999年(平成11年)に広島県で発生した土砂災害が死者39名を出すなどの大災害を引き起こしました。この災害をきっかけとして、土砂災害防止法が2001年(平成13年)に施行されました。同法では、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)が定められ、その区域内では一定の開発行為の制限や建築物の構造に対する規制が行われています。
レッドゾーン指定の影響
レッドゾーンに指定されると、その土地は資産価値がないとみなされ、売却が極めて困難になるという。特に崖の近くに住む人たちにとっては、レッドゾーン指定の有無は大きな問題となります。
横浜市内のレッドゾーン指定状況
横浜市のレッドゾーン指定の概況
横浜市では、丘陵地に所狭しと住宅が建設されていることから、レッドゾーンの指定が頻繁に行われています。2018年から順次、各区でレッドゾーンの指定が始まり、2020年までには市内全域に指定が及んでいます。
レッドゾーンの資料について
レッドゾーンに指定された土地の範囲は、公共座標によって特定されています。ただし、指定範囲内に目印が存在せず、図面上での確認しか可能でないため、注意が必要です。詳しい資料は横浜川崎治水事務所で閲覧できます。
レッドゾーンの測量業務
測量業務の内容
レッドゾーンの測量業務には、レッドゾーンの範囲を示した図面の作成、範囲を現地に明示するための杭設置、レッドゾーン部分の分筆登記などがあります。
測量における留意点
レッドゾーンの測量を行う上で留意すべき点として、以下の事項が挙げられます。
- 座標系の統一:座標系が地域や時期により統一されていない場合があります。測量結果の解釈に影響を及ぼすため、確認が必要です。
- 基準点の精度:基準点間の距離の誤差が大きい場合があります。座標の精度を確認することが重要です。
- 基準点の亡失:短期間で一気に指定された結果、基準点が亡失している場合があります。
- 公共基準点測量の必要性:基準点が亡失している場合、公共基準点による測量が必要となります。これには追加のコストと期間が必要となります。
- 高低差測量の実施:レッドゾーンが指定されている土地は隣地との高低差があるため、設計上の検討が必要となります。そのため、高低差測量が必要となる場合が多いです。
まとめ:レッドゾーンと測量業務の重要性
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の指定は、土地の資産価値と安全性に直結します。特に急峻な地形を持つ地域では、レッドゾーンの指定が多くなり、土地所有者や不動産業者はこの指定に対する適切な理解と対応が求められます。
レッドゾーンの測量業務は、土地の範囲を正確に把握し、必要に応じて現地に明示することで、レッドゾーンの安全性を確保する上で重要な役割を果たします。しかし、その実施には様々な留意点があり、座標系の統一、基準点の精度と亡失、公共基準点測量の必要性、高低差測量の実施など、細心の注意が必要となります。
これらの課題を克服し、レッドゾーンの測量業務を適切に実施することで、土砂災害からの安全確保と、土地の有効活用を図ることが可能になります。