ヘボヘボ中高年の登山考
結婚前は登山を趣味にしていましたが、
仕事や結婚により忙しくなり、登山から遠ざかっていました。
その後、一つの趣味としてバラの栽培に夢中になりましたが、
独立後の忙しさと50才を過ぎて大病を経験し、それどころではなくなり
庭のバラは枯れ果てて荒れ放題となり妻に叱られる始末でした。
退院後、再び自分が本当にやりたかったことにチャレンジしたいと思い、
登山を再開することを決意し、手始めにハイキングで有名な
箱根の金時山に行きました。
しかし、衰えた体力は想像以上で、山頂についたときは、ヘロヘロでした。
その後なんとか、トレーニングを重ね、今冬に北アルプスに挑戦しました。
若い頃の体力はなく、この山行もボロボロに打ちのめされたのですが
雪の降りしきる中、非日常的な世界に身を置きながら
山と向き合う喜びを感じました。
50代を超えて山を登ると、いくつかの気付きがあります。
その一つが、中高年の登山者の元気な姿をたくさん見かけるということです。
若いころは、年配の登山者を見ても特に何も感じなかったのですが、
今では、その活気に満ちた姿に驚きと感動を覚えます。
今年の3月に北アルプスに登った時も、
70歳を超えた爺さんが私を軽々と追い越していきました。
「まだまだ50代、これからだよ」と励ましてくれたその言葉は、
私にとって大きな励みとなりました。
どんな年齢になっても、自分がどんなにヘボでも
挑戦することは大切だと気付かせてくれました。
そんな折今年になって、
尊敬していた先輩が病で亡くなる直前まで
クライミングをしていた話を聞かされました。
いてもたってもいられず、旧知の山仲間と話をしたら
「私も一生山ヤでいたい」との言葉。
これらは私の心に深く刺さりました。
登山は、一見、自分勝手な趣味に見えるかもしれません。
しかし、「生きがい」を見つけること、
これは生きていく上で非常に重要なことだと、
登山を通して強く感じています。
私も細々ではありますが、目標を胸に抱きながら、
登り続けていきたいと思っています。