公差計算はこちら

TOPICS

トピックス

undefined
NEWトピックス

公差とは?——不動産売買で「地積」しか見ていない方へ。分筆できない土地を買わないための”辺長”の話

「公差」について、ご質問をいただくことが本当に多くあります。何が公差の基準なのか、どう適用するのか。今回は、日々の実務で受けてきた質問への答えを、実例つきでまとめます。

売買契約書の「公差」条文には、大事なものが抜けている

不動産売買契約書には、「実測の結果、地積が公差を超えているときは地積更正登記をする」という趣旨の条文がよく入っています。この条文の意図は、買主が土地を買った後に、第三者の承諾を得ることなく自由に分筆できる土地にしておく、ということです。

しかし、実はこれだけでは足りません。地積だけでなく、辺長(境界点間の距離)も公差を超えていると、分筆ができないのです。公差を考えるときは、地積と辺長をセットで考えなければならないのに、不動産売買の実務では地積しかフォーカスしていないことがほとんどです。

本来、売買契約書はこうあるべきだと考えます。

「実測の結果、地積または境界点間の距離(辺長)が、国土調査法施行令別表第四に定める精度区分の公差を超えているときは、地積更正登記をする」

不動産会社の皆さんには、ぜひこの形への見直しをおすすめします。

そもそも「公差」とは——基準は法令で決まっている

公差とは、測量に許容される誤差の限度のことで、国土調査法施行令の別表第四に定められています。土地には「精度区分」という等級が定められており、甲1・甲2・甲3・乙1・乙2・乙3の6段階、甲1が最も厳しい(=許される誤差が小さい)順に並んでいます。市街地の宅地には厳しい区分が、山林や農地には緩やかな区分が適用されるイメージです。

そして公差には、大きく「地積の公差」と「辺長(境界点間距離)の公差」があります。順に説明します。

地積の公差——何と比較するのか

実際に測った面積を、登記簿の面積と比較します。注意点として、地目が宅地でない土地は登記簿では小数点以下の面積が省略されています。その場合は、地積測量図などに小数点以下まで記載されているので、そちらの数値を使います。

次に、どの精度区分を適用するか。簡単な見分け方は公図を見ることです。公図の下の枠に「精度区分」という項目があり、甲1〜乙3のいずれかが記されているか、斜線になっています。縮尺1/600の公図は斜線(記載なし)のことが多く、1/500の公図には何らかの精度区分が記されていることが多い、というのが実務での感覚です。

1/600で精度区分の記載がない場合、東京・神奈川であれば、おおむね甲2を適用すると考えてまず間違いありません(最終的な取扱いは管轄の法務局にご確認ください)。

【実例】 登記された面積が100.05㎡、実測が102.40㎡、公図の精度区分は斜線、というケース。当事務所の公差計算シミュレーションで、距離は空欄のまま、地積の欄に「100.05」と入力して「計算する」を押すと、精度区分ごとの公差が次のように一覧で出ます。

精度区分地積の公差(地積100.05㎡の場合)
甲一0.344㎡
甲二0.816㎡
甲三1.632㎡
乙一2.265㎡
乙二4.715㎡
乙三9.43㎡
公差計算シミュレーションの計算結果(地積100.05㎡)

甲2の地積の公差は0.816㎡。つまり100.05㎡±0.816㎡が公差内です。今回の実測102.40㎡は100.866㎡を大きく超えているので、公差外——地積更正登記が必要、という判定になります。

辺長の公差——面積が合っていても、これで引っかかる

辺長は、土地家屋調査士などが実測して作成した図面と、法務局に備え付けられた地積測量図の境界点間の長さとの比較です。適用する精度区分は地積と同じです。

【実例】 四角形の土地で、地積測量図の辺長が10.000m・8.000m・10.000m・8.000mだったとします。実測したところ、10.012m・8.005m・10.090m・8.080mでした。

シミュレーションの距離欄に「10.000」と入力すると甲2の距離の公差は0.071m、「8.000」なら0.068mと出ます。判定はこうなります。

  • 1辺目:差0.012m → 公差内
  • 2辺目:差0.005m → 公差内
  • 3辺目:差0.090m公差外
  • 4辺目:差0.080m公差外

ここが重要なポイントです。辺長は、1辺でも公差を超えていればアウトです。全体の面積がたまたま合っていても、辺長が公差を超えたままでは、分筆登記に支障が生じます。「地積だけ見ていては足りない」というのは、こういうことです。

まとめ——公差チェックは「地積+辺長」のセットで

公差の確認は、①登記簿の面積(宅地以外は地積測量図の数値)と実測面積の比較、②地積測量図の辺長と実測辺長の比較、この2本立てです。精度区分は公図の下枠で確認し、記載がなければ東京・神奈川はおおむね甲2。ご自身の土地の数値は、公差計算シミュレーションに入力すればその場で判定できます。

土地の購入や売却、分筆をお考えの方、そして売買契約書の条文を見直したい不動産会社の方は、どうぞお気軽にご相談ください。

  • HOME
  • トピックス

CONTACT

お気軽にご相談ください

受付時間:9:00-18:00
境界確認のお願いが
届いた方へ